ゆるりゆるりと公開している宅録シリーズ。正直、ピアノ以外すべてのパートをプログラミングで作るというのは、手間暇かかっておりまして、いっそのこと普通にベーシスト、ドラマーその他ミュージシャンにレコーディングに参加してもらった方がなんぼか楽なわけですが、、しかし、この方法のいいところは、とことん自分のペースで、とことん自分の好きなように作れるということです。
PCさえあれば、非常に優れたレコーディングのシステムやプラグイン音源が誰でもお手軽に使えるようになった今、どんな音楽を作り発表できるかはアマチュアにとっても可能性無限と言えるでしょう。そんな大人の究極の独り遊びではありますが、どうぞ今後も気長にお付き合いいただければ幸いです。
今回Beautiful Loveというジャズスタンダードの宅録作品を公開しましたが、製作工程でどんなことをやっているのかを、少し記事にまとめたいと思います。
録音機材について
そもそも音は何に記録しているの?ということをあまり一般の方はご存じないかもしれません。答えは、フツーのパソコンです!えー!専用の機材を使っているのではないの?とちょっと驚かれる方もいるかもしれませんね。一昔前までは音楽の制作現場では、MTR(Muti Track Recorder)という、同時に複数の音を記録し編集するためのマシンや、シーケンサーと呼ばれる音をプログラミングするための専用機を使っていました。ところが、近年の汎用PCの性能の向上により、DAW(Digital Audio Workstation)というソフトウェアをインストールすれば、誰でも高度な録音、プログラミングが自分のパソコンで出来るようになったのです。

DAWにはいくつか代表的なブランドがありますが、私はCubaseというソフトウェアを使っています。それ以外にもLogic Pro、Studio Oneなどがありますが、正直なところ、結局音を並べる、編集する、エフェクトをかける、ミキシングするといった基本機能については同じなのでそれほど優劣があるわけではありません。ただ、あまり廉価版を買ってしまうと、操作が限られていて使いづらいということはあるようです。
では実際のDAWの画面がどうなっているかというと

こんな感じですね。ちょっと小っちゃくて見づらいと思いますが、縦にベース、ドラム、ピアノなどパートのトラックが並んでいて、横が時間軸になっています。音データを打ち込んだり、録音のデータを配置していくとあたかも楽譜を書いていくように曲が作られていきます。ちなみに、この画面の上の4トラックはMIDIデータといって私がベースやドラムの音を一つ一つ入れている(打ち込んでいる)ものです、下の2つのトラックは波形に見えると思いますが、これが私が実際に生のピアノを弾いてレコーディングしたデータです。
MIDIデータのトラックを詳しく拡大してみると

こんな感じで音の一つ一つが並んでいるのが分かると思います。ちなみにこの画像は、今回のBeautiful Loveのドラムソロの一部です。ハイハット、スネア、タムタム、バスドラムといったそれぞれの音を時間軸の上に並べている作業です。
実際にはこのプログラムに従って、非常にリアルなサンプリング音源(これも今は機械ではなくソフトウェア!)が演奏を再現してくれることによって、あたかも本物のドラマーが演奏しているかのように聴かせることが出来るのです。また、特にハイハットやスネアといった打楽器は、叩く場所や叩き方で様々な表情の音が出ますが、今どきの優秀な音源はそれらを一つ一つ違うバリエーションの音としてプログラムすることが出来るようになっていて、非常にリアルな演奏に聴かせることが可能になっています。
ちなみに一つ種明かしをすると、今回のドラムソロは、Jack Dejohnetteという世界的に有名なジャズドラマーのフレージングを参考にしています。いったん彼の演奏を譜面に起こしたのがこちら。

彼のエッセンスで気に入った部分を盛り込んで自分なりに作り直し、プログラミングで再現してみたのが上記のDAW画面というわけです。
今日はこのへんで。次回はピアノの録音機材などについてもご紹介したいと思います。

