【パルス道場】Vol.6 「タカサキ イチゴ」!? 3連符とイーヴンを往復して自分のクセを知る

お・と・なのジャズ研

前回やった3連符とイーブンを組み合わせてやってみよう。

Exercise 14

1小節ごとに往復するのが忙しければ、2小節ずつやってみてもよい。その方がよりパルスをしっかり確認しながら訓練できる。

厳しいパルスを保ったうえでイーブンと3連を自由に行き来できるようになれば、時空の掌握力はかなりのレベルになっていると言っていい。しかしこれが、出来たつもりになっていて実は出来てないことが多い。まず、上記エクササイズをやってみて、あなたの3連は本当の3連になっているだろうか?うっかり下記の譜例のようになってしまってはいないだろうか?

陥りがちなやつ

この2つを明確に区別することは、リズムを正確に掌握するためのヒントにもなる。試しに次のようにこの2つで往復してトレーニングするのも面白いかもしれない。

Exercise 15

イーヴンと3連の組み合わせエクササイズは様々なバリエーションを作れる。例をいくつか以下に紹介する。

Exercise 16
Exercise 17
Exercise 18
Exercise 19
Exercise 20
Exercise 21
Exercise 22
Exercise 23
Exercise 24
Exercise 25
Exercise 26

さて、リズムがだいぶ複雑になってきたところで、8分のイーブンと4分の3連を確信をもって鳴らそうとすると自然に自分の口で発音をして自身のリズムをサポートしたくならないだろうか?楽器を鳴らすにしても、まずは自分の口で歌えないものは表現できないわけで、上記のトレーニングでその大事さに気づいてもらえたらと願っている。
8分イーヴンには何か4文字の単語と、3連には何か3文字の単語をそれぞれあてはめて感覚をつかんでもらいたい。試しに「タカサキ」と「イチゴ」でやってみよう。上記のExercise 18に示したようにまずは正確なタカサキとイチゴのタイミングをイメージする。そうすれば、Exercise 24では譜例に書いた通りカとキ、チのタイミングで発音すればよいはずである。もちろん、この方法は他のエクササイズすべてで使える。
もしかしたらこのようなタイミングの取り方は邪道だと思う人がいるかもしれないが、私はむしろ王道だと思っている。正確なタイミングを捉える助けになるのであれば、たとえライブだろうがレコーディングだろうが、恥ずかしがる必要はない。(マイクに拾われないくらいの音量で)「タカサキイチゴ」をがんがん発動すべきだと思う。

バンド演奏でリズムのキメが合わず悩んでいる場合は、一度そのキメをしっかり譜面に落とし込み、タカサキイチゴにした時にどこを発音しているはずなのかをメンバー全員が理解し、一人ずつが正確に鳴らせるよう、ゆっくりからメトロノームとコラボして練習するのが早道だ。十分に個人が習熟し、それぞれが正確なパルスを主張できるようになっていれば、全体練習でタイミングを「合わせる」必要など、本来ないのである。言い換えれば、個人がパルスを持たない状態で、全体でキメを合わせる練習はいくらやっても無意味である。練習で何となく合ったと思っても結局本番で合わずに失望するだけだ。

イーヴンと3連を組み合わせることで、自分のリズムのクセや弱点がより明らかになったのではないだろうか。このような気づきこそがタイムキープ力向上の原点であると私は思っている。
なお、私は埼玉出身で高崎に特別な思いもないし、イチゴが特別に好きなわけでもない。「タカサキイチゴ」はふと思いついただけで、例えば「アルパカゴリラ」でも、それこそ「クリアキハジメ」でもよいのだが、皆さんもなるべくリズミカルな語感の言葉を選ぶといいと思う。
(Vol.6 終わり)

タイトルとURLをコピーしました